
あるきっかけから心穏やかに明るく生きる方法を探求している「にわとり印のごきげんブログ」。
作成者のNikoです。
長編のマンガはほとんど読まない私ですが、この「凪のお暇」だけは全巻購入していました!

自己肯定感が低かった主人公・凪が、自分の足で立って歩いていこうとする物語。
一見ラブコメディのようですがそれだけではなく、母と子の負の連鎖や人間と人間とのつながりに着目されているマンガです。
2019年にはドラマ化もされて話題となったこの「凪のお暇」、12巻が発売されました。ついに、最終巻です!
「凪のお暇」最終巻までのあらすじ

これまでのあらすじをざっくりと書いていきます!
東京に住む女性の大島凪(なぎ)は、節約が趣味の28歳のOL。本来のくせ毛を隠し、毎日丁寧にストレートアイロンをかけて出社しています。
会社では、雑用を押し付けられたり同僚からマウントを取られたりし、「なんだかな~」と思いながらも、空気を読んで必死に周囲に合わせて生きてきました。
ある日、内緒で社内恋愛をしていたモラハラ気質のある彼氏・慎二の思いやりのない一言がきっかけで、会社で過呼吸で倒れてしまった凪。
それを機に凪は「お暇」をはじめます。
すべてを捨てて、郊外のオンボロアパートで、素のままの自分で、人生を見つめ直すための新生活をはじめたのです。
コナリミサト著「凪のお暇1」 株式会社秋田書店 P34より引用
同じアパートの住人である母子みすず&うらら、DJのゴン、吉永さんらとの交流を通して、世間の価値観に縛られない小さな幸せを沢山見つけていく凪。
ふとしたきっかけで通うことになったアルバイト先のスナックでも楽しい仲間を見つけていきます。
凪はこの「お暇」で、沢山の気づきを得て、過干渉な母親・夕(ゆう)と向き合っていくことになります。
東京での凪の新生活を心配した夕は、上手く理由をつけて凪を無理やり北海道にある実家に戻します。
北海道でも新たな仲間を見つけながら頑張る凪ですが、そこで夕と夕の母(凪のおばあちゃん)との関係性を見て、母子の悲しい連鎖を感じます。
お母さんと おばあちゃんの まっくろな目を 見たとき
あ これもうだめだって思ったの
目の奥 覗き込んだら
お母さんの お母さんの お母さんの お母さんが 見えたの
それがずっと 層になってるの たぶん 私の目も
コナリミサト著「凪のお暇9」 株式会社秋田書店 P55より引用
何かを変えようと、凪は逆に母である夕を東京に送り、リフレッシュさせることにしました。
東京の凪のアパートで暮らすことになった夕は、隣家のみずずとの対話を通して、これまで自分が凪にしてきたことに気が付きます。
・・・
そして今回の最終巻!
東京での夕と元旦那の武(凪の父)との再会、それを通して凪と夕の関係がどうなっていくのかや、凪と元カレ慎二や隣人ゴンとの恋愛のゆくえが見どころとなっています。
凪のお暇 最終巻の感想

感想ですがネタバレ含みます。未読の方はご注意ください!
・・・最終巻、良かった!!
とっても良かったです!!!
凪の両親が再開した話は感動ものになるかと思いきや、衝撃的な結末でした。
同じ真実でも、夕と武の心の中はまったく違っていたという・・・。夕の気持ちを象徴していた最後の武の画がちょっと怖かったです。
ただ、その前後の夕とみすずさんの友情のくだりがとっても素敵でした。
コナリミサト著「凪のお暇12」 株式会社秋田書店 P61より引用

傷心の夕に、みすずさんという戻る場所があって良かった。
ちなみに私は登場人物の中でみすずさんが一番好きです。ヤーのヤーのヤ―!
慎二と、彼女の円ちゃんがこれからお別れするだろうことはなんとなく察しがついていたけど、
円が別れを決断するきっかけとなった母子の会話が良かったし
コナリミサト著「凪のお暇」 株式会社秋田書店 P87より引用
自分でゴキブリ退治をした後、慎二とのお別れするシーンも清々しかったです。
そして、凪に恋をしたことによりとんでもなく卑屈になってしまっているゴンに、自ら離れることを促す凪。
ゴンからの好意が嬉しいにも関わらず・・・というところに、凪の愛情深さが感じられました。
コナリミサト著「凪のお暇」 株式会社秋田書店 P143より引用
このマンガは登場人物を「いい人」「悪い人」とくくることなく、
凪ちゃんをはじめ、みんな良い面もありポンコツな面もあるところや、
みんな理想を求めているけど折り合いも付けながら生きているところの表現が丁寧に書かれていて、人間が愛おしくなるお話でした。
結局凪は慎二ともゴンとも恋人になることはなかったけれど、男と女の関係以上に人間と人間の対等な関係になれたこと、
凪と夕の親子の距離感が取れるようになったこともとても良かったと思います。
子供のことに踏み込まないよう努力するようになった夕。東京に行ってから変わりましたねー
コナリミサト著「凪のお暇」 株式会社秋田書店 P202より引用
この最終巻までは、沢山の登場人物たちがどんどん迷走していたのですが(笑)
最終巻ではみんななんとなく良い方に行った(円においては劇的に進化、笑)様子が見られて、読む人をとても前向きな気持ちにさせてくれる最終巻でした。
このマンガは本当に人の心についての描写が細かくて鋭くて、「私が自分でもうまく説明できない感情を表現してくれてる!」と思うことが多かったです。
読んでいると訳もなく涙が出てくることもしばしば。

ちなみに私の人生にかなり影響を与えてくれたのは第6巻!名言集を作りたいです
最終回はちょっぴり寂しいけれど、これ以上ない終わり方。また1巻から読み返したいと思いました。
作者のコナリミサト先生、お疲れさまでした。素敵な作品をありがとうございました!
