3.「母」なるものを見つける
「無条件の愛情」に飢えていることに気が付く
0~3までのプロセスを経ていくうちに、私は自分が「本来であれば子どもが母親から受け取る愛情」=「無条件の愛情」に非常に飢えている、ということを学んでいきました。
無条件の愛情とは、母親の役に立たなくとも、ありのままで愛されるという意味です。
エーリッヒ・フロム著の書籍、「愛するということ」にわかりやすく「母の愛」について表現されていたので引用しています↓
母親に愛されるというこの経験は受動的だ。愛されるためにしなければならないことは何もない。母の愛は無条件だ。しなければならないことといったら、生きていること、そして母親の子供であることだけだ。
エーリッヒ・フロム著 「愛するということ」紀伊國屋書店 P66より引用

理想的な母の愛ですね
他の人には「母なるもの」の代わりはできない
過去の自分はこの「母親的な愛情」の多くを自分の関わる人物(恋人や友人、仕事の関係者など)に求めていたため、関係がうまくいかなかったということもわかってきました。

今思えば、当たり前のことなのですが……相手は母親じゃないんだから。
ちなみに現在の夫に対しても最初は同様でしたが、幸いにも夫が自立した人だったために、私を甘やかしすぎたり支配したりすることはありませんでした。
幼少期に母親から得られなかったものを受け取るには?
それでは、幼少期に「無条件の愛情」を得られなかった人はどうしたら良いのでしょうか?
実際の母親から得られなかったものを得る、ということは不可能であると感じると思います。
でも実は、このことについて多くの人達がヒントを教えてくださっています。

私達と同じような状況の人が、この世には沢山いるのですね。
私が試してみて有効だったものを挙げていきたいと思います。
自分の中に「母」を見出す
特に多くの人が提案されているのが、「大人になった自分が母親となり、子供の頃に満たせなかった自分の思いを受け止める」という方法です。

個人的にとても有効な方法でした
この方法について助けになった書籍などをいくつか、ご紹介したいと思います。
☆書籍 キャリル・マクブライト著 江口泰子訳 「毒になる母–自己愛マザーに苦しむ子供」
・・・この本の第三部に書かれている「インターナルマザー(あなたのなかの母親)」を育てるという方法がとてもわかりやすいです。
自己愛や連鎖を断ち切る方法などについても書かれていて、かなり苦しみから救ってくれた本なのでおすすめです。

☆森よう子さん インナーチャイルドケア講座
福岡市に会社を置かれている「インナーチャイルドケア講座」。
私はすでに地元の専門家に対応してもらっていため、こちらのマンツーマンのセッションは受けていませんが、こちらに掲載されている無料の電子書籍「はじめてのインナーチャイルドケアBOOK」が、インナーチャイルドについて本当にわかりやすく書かれてあるのでおすすめです。

私は有料の動画を購入させていただき、大変ためになりました。メルマガもおすすめ。
公式ホームページへリンクします→ インナーチャイルドケア講座
☆子どもを生きれば、おとなになれる<インナーアダルト>の育て方
アダルトチルドレンやインナーチャイルドを理解するのにおすすめの本です。ワークが多く、過去を振り返る手掛かりになります。

☆書籍 『わたしが「わたし」を助けに行こう』 橋本翔太著
詳細はこちらの過去記事をご参照ください↓
『わたしが「わたし」を助けに行こう』の簡単なまとめと感想。続けていきたい「ナイトくんワーク」 |
☆書籍 『ぶり返す!「怒り」「さびしさ」「悲しみ」は捨てられる!』 古宮昇著
詳細はこちらの過去記事をご参照ください↓
古宮昇さんの『ぶり返す!「怒り」「さびしさ」「悲しみ」は捨てられる!』のポイントと感想。おとなの愛情飢餓の解決法とは?
外の世界に「母」を見出す
・自然の中に見出す
大地や風などの自然の中に「母」を見出す人もいるようです。
私の場合は、よく朝の光を浴びながら太陽の光を吸収する(甘える)ことにしています。
日の光を浴びながらお日様に優しく包まれている、抱っこされているようなイメージです。
これを繰り返すことにより精神的に安定してきたのを感じます。
大自然の中に母を感じる人もいらっしゃるようです。
・音の中に見出す
詳細はこちらの過去記事をご参照ください↓
マドモアゼル・愛さんの「母」についての名言(ラジオの人生相談)と、周波数396Hz「マザー」を聴いた感想

自分の心が底部から安らぎ、心地よく包まれるようなものであれば、それを「母」ととらえて良いのだと私は思っています。
危ないところで、守られてきませんでしたか?
さて、「自分の中」と「外部の中」に母親を見出す方法をご紹介しましたが、
もう一つ大事な「母」的な愛情をえる手段としてご紹介したいのが、「神様か天か宇宙かご先祖様か?よくわからないけれど何か大きなものに見守ってもらっている」という感覚です。

このように書くと、あらかじめ断っておきますが、私は何か特定の集団に所属しているわけではありません。
プロフィールやちょっと不思議な体験のところでも書いたような経験をした後、私はやはりそう思わずにはいられなくなりました。
思えばこれまでの人生も、すんでのところで大ピンチからは免れたり、不幸の中にも「不幸中の幸い」と思えることが多々あったり。
「タイミングが良かった」というだけではどうにも説明できないような出来事に遭遇してきました。

このサイトを訪れてくださった、あなたもそうではありませんか?
それは「スピリチュアルなものに頼る」というものとは少し違って、「現実を生きて自分の課題と向き合っていると、自然に必要な助けが得られる」というものです。
生きていく上で試練と感じることがあったときに、人との出会いがある、たまたま目にした本にヒントが書いてある、たまたま見ていた映画が大切なことを教えてくれる、といった具合です。
このようなことを何度か繰り返すと、「ずっと見守ってもらっている」という感覚を持ってきます。

この経験を繰り返すことで、自然と不安が消え、心が安定してくるのを感じました
そして、多くの方が同じような感覚を持っていることを知りました。
特に、多摩大学大学院教授の田坂広志さんが、このことをわかりやすく表現してくださっています。
もし、皆さんが、これからの人生において逆境に直面されたときには、思い出してください。「大いなる何か」が、皆さんを育てようとして、その逆境を与えている。
田坂広志 あすか会議2018「すべては導かれているー逆境を越え、人生を拓く5つの覚悟」文字起こし(グロービズ経営大学院ホームページ)より引用
本当に不思議なことですが、本当の母親ではない「母なるもの」を求めるようになると、「自分を心から満たしてくれるもの」が少しずつ見つかっていきます。