
「母」を知って、もっと幸せなママに。「にわとり印のごきげんブログ」
作成者のNikoです。
自分が育つ過程で親から受けた「負」の部分を、なるべく自分の子どもには受け継がせたくない。
著者のそんな思いがまっすぐに伝わってくる、このマンガを紹介したいと思います。

「毒親に育てられた私が母になる」ってどんな本?
「毒親に育てられた私が母になる」は、株式会社KADOKAWAより2023年12月に出版されたマンガです。
シングルマーの母親(毒親と呼ばれるレベルのひどい育児をしていた)に育てられた体験を描いた「毒親に育てられました」シリーズの第4作目となります。

毒親に育てられた著者が、葛藤しながら自分の育児と向き合う様子が描かれたマンガ
本書では著者の幼少期に関する描写は少なめですが、それでも悲惨な環境で育てられたことが伝わってきます。

可愛く読みやすい絵なのですが、幼い頃の回想の場面はなかなか衝撃的です。
ただ本書のテーマは過去ではなく、「毒親に育てられ、母親となる自分がどう育児をしていけばよいのか」に焦点をあてて書かれています。

著者のつつみさんが、まっすぐに真面目に育児と向き合い、葛藤している様子が描かれたマンガです。
毒親か否かを抜きにしても、乳児期の子育ての大変さや子供の発達面の心配などについても掘り下げて書かれていて、多くの親御さんが共感できる内容だと思います。
作者はつつみさん
このマンガの作者はつつみさん。シングルマザーである母親との暮らしを描いたInstagramが話題となり、『毒親に育てられました』シリーズのマンガを出版されました。
↓左側の女性がつつみさん。真ん中が「息子くん」、右が旦那さん
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P191より引用
この本の構成
「毒親に育てられた私が母になる」は、序文や末文のほかに第1~4章の漫画と、臨床心理士への取材漫画により構成されています。
イメージをつかみやすいよう各章のタイトルを下記に引用させていただきます。
プロローグ
第1章 彼との暮らし
第2章 妊娠と育児の闇
第3章 先が見えない子育て
第4章 未来への希望
取材漫画 専門家に聞いてみた
エピローグ おわりに
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA 目次より引用
この本のポイント
毒親育ちでも毒親にならないようにするには
著者であるつつみさんは、自分が壮絶な体験をしてきたにも関わらずとても冷静です。
自分が毒親にならない方法などについてノートにまとめるなどして分析し、このマンガでわかりやすく表現してくれています。

つつみさんは以下のようなことを発見しています。
毒親育ちでも毒親にならなかった人の共通点
つつみさんは、自ら情報を集め「毒親に育てられても毒親にならなかったケースをを分析した結果、次の事がわかってきたと述べています。
生活面
- 毒親と物理的に離れて安全な場所にいる
- 自立した生活を送れている
人間関係
- 配偶者や義両親と良好な関係
- 相談できる人がいる
- 育児支援サービスなどとつながっている
知識
- 子育てに関する知識を得ている
- 毒親にならないためのポイントを知っている
思考回路
- 自分の境遇や子育てをふり返り、内省できている

この思考回路が重要だとつつみさんは考えておられるようです
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P49より引用
つつみさんの考える母親像
つつみさんははじめ、自分の母親を反面教師にして子育てをするのが良いのではと考えましたが、そこには落とし穴があることにも気が付きます。
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P163より引用

過干渉にならないことを意識しすぎ➩無関心
無関心にならないことを意識しすぎ➩過干渉
のようなことですね。……すごくわかります
そして、間違った選択をしてしまうこともあるかもしれないけれども、自分を顧みながら「私」という母親を新しく作っていく、という考えにたどり着きます。
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P165より引用
専門家の先生への取材マンガ
この本の後ろのほうに、つつみさんが矢野宏之先生(公認心理士)を取材したマンガも掲載されています。
「毒親に育てられた人は子どもを不幸にしてしまう可能性が高いのか?」というつつみさんの疑問に対し、矢野先生が事例をあげて回答しているマンガです。矢野先生は、
- あえて子どもはもたずパートナーと二人で幸せに暮らす選択をする人
- 親と同じことをしていることに子育ての途中で気が付いた人
- 受け止めてくれるパートナーと出会い順調に子育てをしている人
の事例を挙げたあと、
毒親に育てられた人の人生の分かれ道は、その後の人生で「人に対する信頼感を持てるかどうか」ではないかと思っている、と話しています。
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P183より引用

私自身も夫や義両親、友人に救われました。よろしければプロフィールをどうぞ。
読んでみての感想
この本を読んでまず私が思ったことは、「つつみさんの夫さんと義両親が優しい人で良かったな……」ということでした。
つつみさんが、ご自身の妊娠・出産についてとても悩まれたこと、旦那さんと沢山話合い、工夫されたということが伝わってくる内容です。
だからこそ、誹謗中傷を受けた話にはとても憤りを感じました。
誹謗中傷とまでいかなくても、
息子を出産後、インスタグラムやブログなどに、読者の方々から「どうして子どもを産もうと思ったのですか?」という疑問は多く寄せられていました。
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA 目次より引用
そうしたコメントがあることに本当に驚きました。

他人が踏み込める領域なの?
改めて、他人が弱い部分を正直に出すそこを責めてくるような人がいるんだな、ということ現実も認識しました。(↑そういう人がどういう人なのかがわかるこちらの記事へリンクします)
育児中の私には共感できる部分も多々あり、例えば↓のような「どうしたらいいの?」の気持ち、とても良くわかります↓(笑)
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P152より引用
理想と現実に揺れるところもすごく共感しました↓
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P158より引用
つつみ著 「毒親に育てられた私が母になる」株式会社KADOKAWA P100より引用
取材漫画「専門家に聞いてみた」は、自分を大切にしてくれない男性とばかり付き合ってしまう「再演」について取り上げられた事例が印象的でした。著者のつつみさんにも同じような経験があるのだそう。

私も同じ経験があるために(←プロフィールへリンクします)すごく納得しました。
つつみさんの優しさや前向きな気持ちが伝わってくるマンガです。
ぜひお手に取ってご覧くださいね。
毒親に育てられた私が母になる [ つつみ ]
最後までお読みくださりありがとうございました!
